このファンタジーがすごい!文庫

翻訳されてほしいファンタジーを紹介していきます。

The Alloy of Law

ミストボーン三部作の続編もオススメ。サンダースンの雪崩はもちろん健在で、当作品でも終盤にかけて畳み掛けるように事実が明かされていく。

 

https://www.goodreads.com/book/show/10803121-the-alloy-of-law


【あらすじ】
ワグジリアム・ラドリアンは荒野の保安官。合金術(コイン撃ち)と伝金術(鉄)を駆使して市民を守っていたが、ミスから最愛の人を失ってしまう。悲劇から数ヶ月が経ち、伯父の事故死によって爵位を受けついだワックスは首都エレンデルで無為な生活を過ごしていた。土地や名誉こそあれど、伯父の放蕩により失われた資産を取り戻すため、裕福なハームズ卿の娘との縁談を進めることにしたワックス。婚約を社交界に知らせるためにパーティに向かうが、最近流行りの列車強盗団の諍いに巻き込まれて、否、飛び込んでいきーー。

【感想】

・小気味いい会話のやりとりや迫力あるバトルシーンは、相変わらず日本のラノベ並みに読みやすくて面白いです。
・前シリーズへの言及があるたびにワクワクする。主人公の名前からして子孫だし…
・タイトルは直訳すると法の合金だけど、合金術の使える元保安官すなわちワックスのことを指すのか、それともワックスともう一人の保安官の正義が交錯することを指して「合」金なのか、うーんどっちでしょう。
・合金術と伝金術とどっちも使えるのはTwinborn(双金の申し子とでも訳されるかな?)と呼ばれ、同一の金属を貯めたり燃やしたりできる場合はcompound(混合?)で能力が飛躍的に伸びるとか。こういう能力の合成とか考えるの楽しいでしょうね。
・最後10ページで驚愕の展開が待ち受けます。あの人が出てきたり、黒幕が明らかになったり、三角関係になっていったり、次巻を読みたくなること請け合い。
・「人の世から悪がなくならない、神は何をやってるんだ」こんな憤りに対する答えを探すキャラ、サンダースンの作品には多く出てくる気がする。宣教師としての経験からだろうか。Harmony(調和)ことセイズド無責任すぎる気もするけど、果たして真意やいかに。