このファンタジーがすごい!文庫

翻訳されてほしいファンタジーを紹介していきます。

Wise Man's Fear

GoodreadsやらAmazonやらでハイファンタジーを検索すると、必ず上位に来るキングキラークロニクル。二巻もとても劇的で面白いです。

 

https://www.goodreads.com/book/show/1215032.The_Wise_Man_s_Fear

 

【あらすじ】※ネタバレ含みます

相変わらず赤貧生活を送るクォート。デビに借金をしたり、エロディンの命名の講義を受けたり、悪意の魔法を受けたことに対して復讐を企んだり、なかなか刺激的なキャンパスライフとなっています。

1巻で風の名前を呼んでアンブローズを攻撃したことで、訴えられてしまいます。あまりに学費が急騰したため休学することにし、男爵の推薦を受けてアルベロン公にパトロンになってもらうよう彼の領地のセベレンに向かいます。

アルベロン公は旧家のメルアン・ラックレスと結婚したいと思っており、クォートは音楽家としてその段取りを組むことになります。密かに領地内で進む陰謀を解決し、今度は税金強盗を捕まえるよう頼まれることに。

途中で妖精に誘惑されたりしながらも、旅は順調に進みます。警備団の中に傭兵として広く知られるアデム族がおり、クォートは次第に仲良くなります。レザニ信仰とケタンを教わるのですが、門外不出のものであるためアデム族の村に連行されてしまいます。そしてしっかり師匠について学ぶことに。

パトロンに虐待されているのに頑なに彼を擁護するデナ。彼女との仲は次第に険悪になっていきます。現在の宿の周りも次第に危険度を増しており、続刊が本当に待ち遠しいです。

 

【感想】

・アデム族は中国を連想しました。声の上げ下げで意味が変わる単語、自民族中心主義な態度、「型」のある格闘技…もちろんフリーセックスじゃないですけど。異民族の描写はファンタジーの魅力の一つですね。

・修行の成果を師匠に示すシーンが痺れるくらい格好良いです。無血のクォートが流血を厭わず手を剣樹に突っ込むとか、ついつい真似したくなりました。

・エロディン先生大好き!半分狂気に浸ってる描写が実に大学の教員らしい。正気の部分が刊行論文だけって人、たまにいますよね。

・回収されてない伏線多いけど最終巻はどうなるんでしょう。2017年と予定されてますが終わらないのでは。

・1巻でクォートの母親のことを歌っている詩が、結婚前のフルネームの韻を踏んでいたことに気づいたときは驚かされました。粋な作りになっていますね。